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ラストドライブ

  • aureliecharmante
  • 2018年6月25日
  • 読了時間: 2分

13年乗り続けたフィットは、もともと旦那さんが買って乗っていたものだった。

旦那さんとはじめて一緒に遊ぼう!となった日。

(いや、まったく付き合うとかそんな気は本当になくて、

この人もたまにはフランス語話したいでしょ?という思いで

たまたま実家と主人の家が近かったので会うみたいなノリで!)

主人は最寄り駅で降り立った私を、このフィットに乗って迎えにきてくれた。

それから和歌山の海南に。

海南には当時旦那さんが所用していた漁船が停めてあって

そこから小一時間ほど船を走らせて、地の島と沖ノ島という

ちょっとした無人島にでかけたのだ。

結婚して、私も運転するようになったある日

主人はお世話になっている材木屋さんから軽トラを譲っていただいた。

それ以来、フィットのメインドライバーは私になった。

新しい車(中古ですけれどもね)の納車日

たまたま仕事で海南に行かねばならなくなった。

そしてたまたまアポをとっていた会社さんが

この漁港のすぐそばに事務所を構えておられた。

何たる偶然!

用事を終えて帰路に向かおうとするものの、ディーラーに行くまでまだ時間がある。

どうしようかな、思い出の港に行ってみようかな…と悩みながら車を走らせていたら

「いこうよ」と誘われるように、ちょうど対向車も少なくて

私はハンドルを右に切った。

なつかしい小さな港。和歌山は数年前にプレジャーボート停泊の整備をしたから

違法係留は減って、とまっている船は半分くらいになっていた。

でも、当時からずっと所有している人たちの見覚えのある船がちらほら見える。

その日は梅雨らしいどんよりと曇った空。

空を映して、色なく凪ぐ海。

「ほら、連れてきたよ〜」と車に話しかけてみる。

最期が近い人に見たい景色を見せてあげているみたいだ。

13年もありがとう。あれからいろんなことがあったね。

心でそう言って、港を去る。

海南にはじまり、海南に終わる。

よくできた偶然でした。

↓ こんな感じでお迎えに来た。

 
 
 

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